modo におけるリニアワークフロー、最後は、「適切な状態での書き出し」についてです。
適切な状態での書き出し
取り込んだテクスチャを、最適な環境で見る方法まではわかりました。しかし、ここまでは、modo の中だけのお話です。レンダリングした画像は、最終的に、JPEG などに書き出して保存します。ここまでのワークフローが整っても、今までリニア環境で見てきたものと、違う画像が書き出されてしまっては、これまでの作業の意味がなくなってしまいます。
modo では、レンダリングした画像は、Render Frame で確認できます。この時点で画像は、.tmp という形式で保存されています。おそらく、temporary(仮の)という意味だと思います。
Render Frame から、保存形式を選んで画像を書き出しますが、このときに先のステップで設定した、Default Gamma Output が有効になるわけです。Render Frame 内にあるガンマの設定欄は、Display Gamma を変えるものなので、この数値を変えても、書き出しのときのガンマには影響はありません。
リニア環境で作った.tmp のデータでそのまま保存できれば一番良いのですが、一般的な形式ではないので汎用的な形式で保存する必要があります。最も良いのは、HDRI(.exr)です。HDRI であれば、これまでのリニアワークフローで作ってきたデータを損なうこと無く、リニアなまま書き出しができるそうです。理想的ですね。
HDRI は、マルチレイヤーをサポートしてるので、Photoshop のように1つのファイルで、Diffuse, Alpha などの要素をレイヤー化した状態で書き出すことができます。ただし、それを開くには、対応したソフトウェアが必要となります。必ずしも、マルチレイヤーで書き出さなくてはいけないわけではありませんが、ファイル形式にそこまでこだわるなら、マルチレイヤーにした方が良いかと思います。
modo でHDRI 形式(マルチレイヤー)で保存する場合、Render Frame で、Save Layered Image を選んで、保存します。exr 形式には種類がありますが、Layered OpenEXR float 32-bit が、最も高品質に書き出せるようです。ただし、データ容量が非常に重くなるので注意が必要です。
HDRI 書き出しの際は、Final Color Output のプロパティにある、Gamma の欄で、「1.0 Linear」を選びます。また、HDRI で書き出す場合、Clamp Colors とDithering は、オフにします。理由は、マニュアルを見ると書いてありますが、後日、触れようと思います。
HDRI 以外で書き出す際は、目的に合わせてガンマ値を決め、その数値を設定します。いまは、Windows もMac もガンマ値が2.2 になったので、これで通用することが多くはなっていると思います(絶対ではありません)。
適切な状態での書き出しのまとめ
リニアワークフローにのっとって作ったデータを、そのままリニアな状態で書き出すためには、保存形式で Layered OpenEXR float 32-bit (HDRI)を選ぶ。その際、Final Color Output の出力ガンマ値は、1.0 で、Clamp Colors とDithering は、オフにする。exr 形式のデータを編集するには、Photoshop(プラグインが必要になると思います)など、対応したソフトウェアが必要。
exr 以外の形式で書き出すときには、用途に応じてガンマ値を決定する。
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簡単に一つの記事でまとめようと思ったリニアワークフローですが、調べてみるとわからないこと、知らなかったことが多く、次々と重要なことを学ぶ結果となりました。最終出力の段階となって知ることとなった、OpenEXR のことは、また別の記事で触れたいと思います。あと、説明が多くなってしまったので、後日、modo でリニアワークフローの設定について、改めて簡潔にまとめようと思います。
リニアワークフローについての最初の記事でも書きましたが、こちらの情報をまとめられたのは、modo mode のTakumi さんのおかげです。最初、Takumi さんの記事を読んだときは、難しくて良くわからず、理解できるようにと色々調べた結果、非常に重要なことが書かれていると次第にわかるようになり、最終的には、全てが理解できました。Takumi さんの記事に出会えなければ、未だにリニアワークフローの重要性に気が付いていなかったかもしれません。Takumi さんには、改めて御礼申し上げます。リニアワークフローについて興味のある方は、是非、Takumi さんのウェブサイトをご覧ください。
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